コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.27 「第5回研究集会を終えて」

去る1月23日、京都リサーチパークのサイエンスホールで第5回LMC研究集会が開催された。ハイブリッド型のシンポジウムで、シンポジストやスタッフも含めると200名近くの参加者で大盛況であった(プログラムは別添)。3密を避け時短も守り、特別講演や基調講演は事前配信し、1月一杯は視聴できることとした。国会議員も通常国会開催中コロナ質疑などで超ご多忙中、現地に4党5名がシンポジストとして参加いただいた。
第1部は主に薬品や機器の供給体制。中野理事が司会を務めた。後半はコロナと医療、介護、教育をテーマに病院や施設の経営状況、オンライン授業の功罪、実習や部活、先輩後輩関係や同級、同窓、同門の絆など色々な発表と討論が活発に行われた。最後の全体討論は小生の時間管理の不手際で尻切れトンボになってしまい来場の皆様には大変申し訳なく、この場を借りてお詫びしたい。
どの講演も素晴らしいものであったが、小生の印象に残ったものを挙げる。一つは今中先生のQIPによる調査では、コロナ患者を1人入院させると1カ月1日当たり(?)30万円余の赤字になるとか。松田先生からはコロナ関連論文の撤回率が高いとの報告。ワクチンはどうなのか?。松村先生はゴーツートラベルとコロナ感染、PCR検査陽性の関連性の有無をグラフで示された。辻川先生からの教育をオンラインのみで行うことへの危惧。同じ釜の飯を食う大切さ、ラグビー部OBらしい肌感覚などの発表が心に残っている。
木原先生や岡ア先生のコロナ対応の実践のご苦労、小熊先生の自治体病院の頑張り、箕浦先生の看護実習が出来ないもどかしさもインパクトがあった。また、上本先生の苦学生への経済的援助などのご配慮、大利先生の感染症概論とCOVID-19のQ&Aも是非復習して欲しい。
国会の先生からはゴーはCocoaの紐付きにすべきとの主張やワクチン接種のメリットやデメリットなどについての発言。またメーカーや流通の実情が判り、討論がなくても多くの異なった立場の方々からご意見をお聞かせいただけたのが良かったとも(私への慰め?)。最後に学生会員から当日の夜に届いたメールを紹介する。「あっという間に5時になっていた。医学部の講義では聞けない製薬業界の苦労や薬が中国や海外に依存していることに驚き、日本が殆どの面で衰えているのを知って目から鱗」とも。
会議終了後にはあちらこちらでミニ交流会。名刺交換やQ&A。国会の先生方は「薬、特にキードラックは国が補助してでも国内生産を」と。全ての方々の共通認識となったのは大きな成果である。ご参加の関係各位に深く感謝するとともに、これを推進できるよう関係省庁や政治家の皆様に引き続き働きかけていきたい。
最後に、今回の研究会をゆっくりと反省し、次回の第6回が更に充実することを願っている。会員の皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。特に開催に尽力いただいたスタッフの方々には心から感謝申し上げる。

2021年(コロナ2年、with corona me too)1月末日
LMC会長 邉見公雄 拝

 

 

 

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