コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.9 令和元旦(5月1日なのに)

私は今、平成最後の風邪を3月3日に盛岡で感染した。岩手県医師会長を14期26年間殆どお一人で務められ、この正月に急逝された石川育成先生を偲ぶ会があり、その前日は鎌倉プリンスホテルで茅ヶ崎市民病院長仙賀裕君の退官祝賀会だったのでネクタイを変えただけの礼服で出席したのだが、その時から汗や寒気で「これは?」と怖れていた。
私の風邪は長い。暑がりで寒がり、快適温度の閾値(しきいち)が狭い。98歳の今も四国で生存中の母親譲りの悪い遺伝子のせいに違いない。鎌倉では全自病の小熊会長やHCSの中野一夫氏も同じテーブルだったのだが、その後お二人とも元気に活動されているので感染源は別の所なのであろう。私は年に6回以上は風邪を引く。四季に少なくとも1回ずつ。冬は先駆け、中押し、ダメ押しと少なくとも3回は引いている。インフルエンザはワクチンのお陰か一度もない。  
外科医の頃は風呂上りに緊急呼び出しで湯冷め、腕が悪いので手術では冷や汗、更に死亡診断書を1枚書く度に足の下からもの凄い寒気が巻き起こり、オチンチンが縮こまる。こんなことが続くと必ず風邪を引く。家族が買い物などに出かけ官舎で一人熱にうなされ寝ていると呼び鈴が鳴り止まない。仕方なくしぶしぶ出てみると案の定、新興宗教の勧誘。面倒くさいので「お宅の宗教に入ると風邪は治りますか?風邪は引きませんか?」と。この一言で殆どの者は「こいつは危ない」と早々に退散。皆様も是非お試しあれ!!  
なお私は今回、人生初体験の花粉症にもなった。四国の山猿で周りには杉や檜だらけの中で育ち、今まで一度たりとも被害に遭っていなかったにも係わらずにである。後期高齢者は抗体を作る力が無いと言われ安心していたのに、喜んでいいのか複雑ではあるが…。やはり悲しい今日この頃である。平成の医療界は集約化、機能分化と連携ということでかなりの血と汗と涙を流してきた。令和の世は医療や社会保障に温かい“恕”の心の時代になって欲しいと10連休中、本の整理をしながら考えていた。

追伸 連休中も働いていた皆様、御苦労様でした。LMCも新しい時代に向けて頑張ります。御指導御支援よろしくお願いいたします。

 

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