コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.11 待ち望んでいた日

少し遅れてしまいました。
6月も色々なことがありました。中でも一番大きく、そして長く待っていた嬉しい出来事がありました。それは6月15日に開催された兵庫県立丹波医療センターの竣工式です。県立柏原病院と日本赤十字社柏原病院が統合、別の所に移転新築したものです。地域医療構想の基金も利用させていただきました。実はこの件では、丹波地域の医療のあり方委員会の座長を仰せつかり、統合の決定や新病院用地の決定などずっと関わっており、約8年かけてこの日を迎えたのでした。新幹線と特急「こうのとり」あるいは県の公用車で高速道路を利用しても赤穂や京都、神戸からは2時間以上かかります。ちょうど眩暈に悩んでいた時期で、会議が紛糾すると眩暈と頭痛が強くなり苦しんだことを昨日のことのように思い出します。
神戸大学や兵庫医大、旧両病院関係者、地元医師会、そして地元住民の熱意と医療の重要性を理解していただいた結果実現したものと思っています。地域の新たな中核病院が誕生し、併設する市立の休日等診療所、検診センター、看護学校もあり、医療・介護のローカルセンターが出来ました。また、総合診療医育成のセンターも秋田院長や県の意向で数年前からすでに実績を挙げています。何と言っても一番嬉しかったのは竣工式の夜に届いたメールです。「私達、普通の主婦に戻ります」とキャンディーズもどきの内容でした。第一次医療崩壊の象徴的な事件、全国の医療サポーターの草分け的存在の"県立柏原病院の小児科を守る会"代表の丹生裕子さんからでした。今、三位一体の改革で地域医療構想、医師の需給、勤務医の働き方の大きな変革が始まっています。彼女達が再びマイクを握らずに済むように心から念じ、私も頑張る所存です。
最後になりますが、去る6月18日に開かれた全国公私病院連盟総会で会長に選ばれました。実は私はこの会に育てられ、中医協委員や日病協にも出ておりました。全国自治体病院協議会と並ぶ両親的存在です。遠山正道、竹内正也、篠原寛休先生など諸先輩方の遺志を継ぎ発展させたく思っています。LMC会員諸兄姉にも御指導御支援賜りますようよろしくお願いいたします。

私信 例年の如く夏風邪で苦しんでおります。(6月20日の上智大学でのグリーフケア講演以後ずっと…)

 

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