コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.12 病院祭のすすめ

去る7月13日(土曜日)、第18回赤穂市民病院祭が開かれた。今回は、赤穂市長も1月に新しい方になったので、職員や自治体病院の開設者、他病院の幹部とも交流して頂こうと前日に前夜祭を開いた。病院際には街(まち)興(おこ)しの一面もあり、街並み保存地区・坂(さ)越(こし)にある元塩問屋が酒蔵として地元漁協と一緒にやっている「奥(おく)藤(とう)」を会場とした。昨年は加藤登紀子さん達と痛飲。京大時計台で琵琶湖周航の詩100周年の時の流れでそうなった。
姉妹病院の公立豊岡病院からは松原管理者、三輪院長以下総勢8人、京丹後市立久美浜病院長の赤木先生は翌日に所用がありトンボ返り。はるばる北海道士別市立病院の長島院長、全国自治体病院協議会優良病院表彰受章の松前町立松前病院の八木田院長、蒲郡市民病院の河辺院長と多士済々。副院長では有田の渡辺先生、公立世羅中央病院の折重事務局長と藤谷看護部長の姿も。蒲郡市長の稲葉正吉氏、北海道士別市の相山副市長もはるばる駆けつけてくださった。
60人で一杯なので、ゲストは30人限定。ホストとして当院の藤井院長を初め中島副院長、林実行委員長、長坂局長、田渕看護部長以下師長、主任ら。関係者の熱気に加え、酒蔵の酒はアルコール濃度が2〜3度高く泥酔者、酩酊者続出。しかし、4次会の朝4時まで行った強者も。参加者の内訳は研修医やナースが約6名。私は4次会の2時前に脱出したが…。
翌日の病院祭はプログラムを添付する。私は、饅頭食べと血糖測定はパスして見学。内視鏡もパス。私が一番好きなのはドクタードック。今回も7頭参加。両腕に2頭抱いてポーズの写真、FB、HP、アップ予定。また、子供達が鉗子で手術のマネ事体験や、薬の分包職でお菓子を重量測定し包装してもらっていたのも毎年ながら見ていても楽しく、親や祖父母も嬉しそうに見ていた。この子達が医療界に入ってくれたらという遠謀もある。
アトラクションも音楽やよさこいソーラン踊り、可愛い子供の討ち入り太鼓、市民オーケストラの演奏、落語、といつものように盛沢山。今回初参加でLMCの事務をしてくれている女学生(4回生)の花田さんは、展示や実演の全コースを廻ったとか。
祭の個々のことはさておき、どうして病院に"祭"を?の理由を述べたい。当院は、平成10年2月11日に赤穂城址の隣に新築移転した。旧病院から1.2q海よりにである。電子カルテの導入、歯科口腔外科などの診療科増設、MRI・ライナックなど大型医療機器の導入や更新、院外処方、卒後初期研修生1学年8名フルマッチ、色々な面で職員疲れ気味。台風で病院の屋上の看板落下、人に被害はなかったが駐車場の高級スポーツカーを直撃、持ち主はなんと外科病棟のナース。こんな時は祭だ、祭しかないと!!
しかし、「うちの親父が死にかけとんのに、祭りなんか」と入院患者の家族は猛反対。職員も「休みに出てくるんか」と。一人ひとり、一生懸命に説得。「どんな地域、どんな組織にも祭は必要、皆あるよ」「祭は亡くなった人や先輩たちの魂を慰め、今の仲間を奮い立たす為にある」と。「判った。院長がそう言うんなら」と渋々納得の人もいたが、結果は大成功。3年続いたら大丈夫と考えたがそれも過ぎ、65歳の定年退官までの7年間、その後引き継がれ今年で18回。今では市民も参加、障害者施設のクッキー販売、姉妹病院から名産品の販売、地元の深層水の試飲も。
消防からは梯子車、AEDやLife Support実習、近くの福祉大学は健康チェック、院内看護部門から趣向をこらしたブースやパネル・実演、患者会やボランティアのバザー。吉本からは客寄せパンダ的に若手が出演。研修医もジュース屋さん。数千人参加の大イベントに成長、街興しに少しは貢献かと自負。視察に来られて自分の所でも祭を始められた病院も5指に余る。また、当院から転勤したドクターの提案で始められた病院も。
LMCの会員諸兄姉も是非、来年から参加して始めて頂けたらとこの稿を記した。来年は7月の第2土曜日に開催予定である。多くの方々の御参加をお待ちしております。

第18回赤穂病院祭(パンフレット)

 

← 前  |  次 →