コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.17 ワンヘルスの精神

今、新型コロナウィルスによる肺炎が世界に拡がっている。中国湖北省武漢の海鮮市場の野生動物の食糧品が感染源らしい。動物はタケネズミとコウモリと発表された。10数年前にこれも中国から拡がったSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染源は食用の野生コウモリであった。その後流行したMERSはラクダからと。動物から人への感染症が最近目立っている。逆説的に言えば、今まで無かったのが不思議。多分あったけど判らなかっただけなのだろう。医学の進歩で解明されたのである。宇宙船地球号に同乗のゲスト同士である。私の畏友 横倉義武日本医師会長が坪井栄孝先生以来の世界医師長に選ばれ、帝国ホテルでその祝賀会が開かれた。彼の挨拶の中にワンヘルスという言葉が出た。これはペットが家族になったり、空き家や休耕田が急増し、花札の猪鹿蝶ならぬ猪鹿熊が跋扈する我が国の現状では当然である。又、来賓として医歯薬の三師会や日本看護士協会などと並んで藏内勇夫日本獣医師会長が紹介された。時代の流れである。ふた昔前の日曜日に岩波書店がスポンサーのTV番組「生きものばんざい」というのがあった。テーマソングは「おけらだって、アメンボだって生きている、生きている」だった様に思う。(誤:みんなともだち)私は生き物は全て地球から招かれたお客と思っている。日本人は生き物以外の自然や物にも神が宿っているとずっと引き継がれてきた。天神・地神・水神は勿論、井戸やへっつい、家や庭、樹木にも神が居ると教えられ、正月などには御神酒などを供えて来た。この考え方が一神教の欧米やアラブと異なり、他者に寛容な国民性を育んでいるのである。
今私はPFLJ(Pet For Life Japan)という活動に加わっている。捨て犬、捨て猫をリクルートして、里親宅にお願いしたり、アニマルセラピーという医療支援を行っている団体である。私が勤務していた赤穂市民病院には毎月一回ドクタードッグ(癒し犬、犬のおまわりさんならぬお医者さん)がやって来る。認知症のお年寄りや自閉症の子供たちが滅多に見せない笑顔になる。又、手術で入院する独居の方のペットも預かって療養に専念出来る様にするのである。是非ご協力をお願いしたい。 認定NPOの申請に向けて、高水準な更なる活動を続けて参りたいと存じての、今年も絶大なるご支援をお願い致します。
尚、2月はもう一度アップする。先日の当会の第3回シンポジウムを報告したい。

令和2年2月4日

 

 

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