コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.18 第3回LMC研究集会

1月18日の土曜日、京都大学医学部芝蘭会館稲盛ホールにおいて第3回の研究集会が開催された。インフルエンザ等で当日キャンセルの方も少し居られたがホールは満席、熱気あふれる会となった。
特別講演は福井次矢先生。司会の三輪先生とは同級生で福井先生の学生時代からの優秀さを紹介。福井先生は医療の質向上のために院内の先頭に立って頑張っておられ、実践に基づくお話であった。改めてその凄さを見せつけられた。
フォーラムは老若?(失礼)男女、多職種の方々から大変重要な視点からのお話であった。まず医療介護を軸に住民を巻き込んでの街興しを高浜町でやっておられる福井大学医学部の井階友貴教授。ギネス登録のちらし寿司づくりなどユニークな活動で会場を唸らせた。
続く関西看護医療大学の箕浦洋子教授は看護師の立場からのチーム医療、特に地域包括ケアに対する取り組み。患者ファーストの姿勢、後進の育成への熱意も示された。
次の兵庫県立淡路医療センターの藤本恒先生は淡路島という流出・流入の少ない利点を活かした心不全の疫学的研究を発表。今後の国の政策にも影響を与える先駆的な発表であった。我々の若い頃はあんなに立派ではなかったと自省し、心強い仲間が育っていると頼もしく思われた方も大勢いたのではなかろうか。
阿蘇医療センターの赤塚善一院長相談役からは阿蘇の外輪山の中に位置しながらも熊本地震に耐えた病院の機能、ハードとソフトを述べていただいた。災害が頻発する昨今、お話された災害医療や減災対策は参加者に大きな指針を与えてくれた。
最後の茅ケ崎市立病院の仙賀裕先生は、院長13年間で出来たこと出来なかったことを市当局や議会、大学などとの距離感をとりながらの付き合い方などユーモアを交えて話された。院長経験者には身につまされた方も多かった筈である。
志摩市民病院長の江角悠太先生から第1回地域交流会の熱気あふれる報告に続き、士別市病院事業管理者の長嶋仁先生から2月に士別で開催される第2回地域交流会のアナウンスがあった。お二人の地元愛に感動され今後の参加者の増加が期待される。
有賀先生の乾杯で始まった意見交換会では、最長老の柴田先生を初め多くの参加者からスピーチをいただいた。また赤穂義士娘の千田研修医もゲスト参加、スピーチ等で会を盛り上げてくれた。
研究集会の準備や運営を担っていただいた役職員に感謝するとともに、今後も有意義な会を継続し発展させたいと念じている。会員緒兄姉のより一層の御指導、御支援をお願いしたい。

令和2年2月20日

 

 

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