コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.4 3つの病院を訪れて

11月に5つの病院の催しに参加した。まず、1日に開催された誠光会草津総合病院の「あおばな地区医療連携会議」。国公立や公的病院が無く人口増加が続くこの地域の中核病院での会であり、医師会や消防の救急隊、滋賀医大病院長、介護施設や行政も参加した会であった。“病院こそ地域のコミュニティセンター”と題して基調講演をさせていただいたが、もうすでに殆どが実現済みではと感じた。この会には鈴木次長にも同行いただき、当会の広報をしていただいた。因みに、院長は赤穂で外科医として一緒に働いた平野正満君、理事長は前鳥取大学副学長の北野博也先生、連携会議の会長は私と同郷で阿波池田出身の柏木厚典前滋賀医大病院長である。
2つ目は4日に行われた「第5回久美浜病院祭」である。過疎が進み高齢少子化が国内の平均以上に進んでいる京丹後市立の2つの病院の1つである。院長は自治医大第1期卒業の赤木重典先生。歯科口腔外科は北近畿一円から患者が集まるメッカ的な存在で、科長は副院長の堀信介先生で、6人もの歯科医が常勤している。遠方でもあり前泊させていただき三崎政直市長や幹部職員の方々と懇談させていただいたが、皆さん地域医療に素晴らしい情熱をお持ちであった。病院祭も農協理事長のライブや看護部と救急隊とのAEDを用いたライフセービングの実演など多彩で飽きさせない内容であった。午後から“全員参加の健康づくり、街づくり”という演題でお話させていただいた。超満員で後ろの方は立ち聞きとなり恐縮したが、その後に3千個の餅撒きがあり納得と半分苦笑。私も撒き手として参加したが、地方毎に病院祭の特色があり、互いに交流し長所を採り入れたらと思っている。今後の厳しい環境下でもこの病院は大丈夫、と心強かった。
3カ所目の訪問は8日の「国保君津中央病院80周年記念式」である。この病院は木更津市にあるのに「何故君津?」と尋ねると「旧君津郡の病院だから」と。現在は、君津市、袖ケ浦市、富津市、木更津市の4市で構成する病院組合で全部適用病院のようである。企業長は田中正先生、院長は海保隆先生。田中企業長の前任は、国診協副会長を長らく務められた福山悦男先生である。内房地区の医療を一手に担っておられ、その歴史と伝統、実績を再認識させられた。ドクターヘリも活躍しているようで、式典の途中にも出航した。記念植樹も印象的で樹は“黒鉄黐(クロガネモチ)”。苦労して金持ちにという願いの樹で、病院も繁栄してほしいとの願いが込められており、記念植樹はいつもこの樹とのこと。
3つの病院の今後益々の弥栄を願うところである。

追伸 なお、月末に訪問した出水総合医療センターと士別市立病院については、長くなるので次回以降に述べたい。

 

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