コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.7 「JA全厚連創立70周年の集い」に参加して

先日上記の会に日帰りで参加した。JA全厚連は農村地域の住民の健康を守る目的で創立された全国組織であり、現在全国に107の病院と数多くの診療所や介護施設などを持っている。近畿地方には少なく、私が長く勤務している兵庫県では安富町(旧宍粟郡から姫路市に合併)の健診センターしかなかった。人口減少の過疎に悩むのは自治体病院と同じ状況である。
JA全厚連傘下の病院で有名なのは長野県の佐久医療センター(旧佐久総合病院)であろう。農民の健康を守るために保健婦(今は保健師)を活用し健診に注力、疾病予防で教育県長野を健康県に押し上げた。当時の院長であった若月俊一先生は、今では農村医療の父として神格化されている。またこの病院は、医師の研修や医療・介護連携でも我が国のトップランナーである。地域を巻き込んだ病院祭や初期研修医の実地研修などは赤穂市民病院でも採り入れ、分院・サテライト的な診療所を存続させていることも守っている。いずれも経営的には苦しく医師の評判も必ずしも良好とは言えないが…。  
この団体の大きな特徴は「地産地消」である。JA(農協団体)は日本の農業を大切にして地域を守る、つまりLMCと同じ考え方である。興味深いのは全国一斉に全病院同一献立の食事の日を設けていることである。この日には各地域の郷土料理が順次提供される。医食同源の考えにも一致する。贈答品にも一次産業製品が用いられているようであり、医療・介護を中心とした街づくりの強い仲間である。「農民の健康を創る会」に参加する国会議員は102名、会長の宮腰光寛先生は国務大臣である。また、齋藤健前農林水産大臣は「農業と医療は世界に通用する伸び代の大きい産業である」とよく言われていたことを付記する。手を携えて地方生き残り、活性化に取り組もう!!

 

← 前  |  次 →