コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.6 第1回研究集会で3本の木(気) "元気、勇気、陽気" を頂きました

今回のコラムは、1月12日に京大時計台傍のイノベーション棟で開かれた「第1回(発足記念)LMC研究集会」について報告したい。最初に点数を付けると85点、私が考えていた以上に成功した。辛口で有名な友人も「ええ会やったなぁ。来て良かった」と言ってくれ、その夜のフェイスブックに早速アップしてくれていた。  
まず新春漫才として"エイのヒデ"のお二人による笑いで会場を和ましてから基調講演に移った。なお、お二人は"医療現場に笑いを届ける"をモットーにセミナーや講演など、ともすれば難解な話が多い医療の世界に解りやすい話で人気急上昇の新鋭コンビである。基調講演は京都大学の今中教授。「地域医療・介護の見える化とまちづくり」というテーマで、医療のアウトカムである治癒率や死亡率を地域ごとにマッピングしたり基幹病院の有無による死亡率の差などをグラフや地図などで詳しく語られ、今後の地域医療構想のヒントにもと締められた。  
休憩後のシンポジウムは、院長である医師、特定行為の出来る看護師で地域医療連携センターの責任者、そして病院事務長という異なった3つの立場からお話を伺った。第1席の志摩市民病院江角院長はレジメも少なく少し不安であったが、破茶滅茶面白かった。自身の学生時代から現在までの半生の自伝的な内容で、これではレジメなど作れない。祖父の看取りや東日本大震災の支援などの経験から在宅医療、地域の大切さを強調。また、志摩の独居老人の住宅に医学生を一週間住み込ませ、全人的医療で総合診療医を育成。地域医療の確保や地域の活性化に取り組んでおられるのを発表された。  
第2席は彦根市立病院の北川副看護部長。在宅医療で人工呼吸器を装着している方への褥瘡管理など特定行為の認定看護師の重要性を述べ、どんどん研修を受けてほしいとエールを送った。また、介護との連携や多職種協働が大切と繰り返された。バツ1らしいが若い外科医の新しいパートナーの姿もスライドに映り、ちゃっかり惚気られた(^o^)。近江商人の 三方良し の精神で仕事を、との心構えをお聞きした。 最後の久美浜病院葛原事務長は、地域包括ケアによる町づくりとして京丹後市久美浜が人口減や少子化に対し、小児が少なくても小児医療に尽力。キッズドクターやキッズナースの試みなど病院を核として生き残りに挑戦している姿を発表された。地域の一大企業としての久美浜病院の存在が、新しい団地の造成やイタリアンレストランなどが集まり始めたことに繋がったと明るい口調で話されていたのが印象的であった。  
三人三様に未来志向の時間を忘れる熱演で、シンポジウムの時間がとれずマイナス10点、私が講演出来なかったことでマイナス5点(本当はプラス5点かも)、これで最初に述べた85点の採点となるが、心中では100点以上であったと思っている。年間100近い講演や30位のシンポジウムに参加するが、恐らく今年のベスト3に残ると考えている。第2回、第3回の方達のプレッシャーにならぬよう、これ位の点数に止めておいたというのが真相である。  
演者の皆様、参加者の方々、スタッフの諸兄姉、本当にご苦労様でした。ありがとう。今後ともよろしくお願いします。  

追伸 第1回地域交流会は2月23日に志摩で開催。多数の方々のご参加をお待ちしております。地域医療・介護の楽しさ、醍醐味、愚痴などを語り合いましょう!!  
なお今回のコラムの題ですが、私の親戚の大叔母がご主人(元厚生大臣)の代わりに出席した結婚式で「うちの家業は森林、製材業です。新郎新婦に3本の木をお贈りします。"元気、勇気、陽気"です。"病気、弱気、陰気"は腐った悪い木で、もっとダメなのは"浮気"です」と言っていたのを思い出し、こんな題にしてみました。

 

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