コラム 『白ヒゲの言いたい放題』

No.1 災害医療と地域崩壊

先月の西日本豪雨災害で亡くなられた方、被災された皆様方には心よりお悔み、お見舞い申し上げます。過去に瀬戸内地方は天災と呼ばれるものが殆どなく、「晴れの国岡山」県民と周辺地域の方々は本当に驚かれたことでしょう。
今の雨は昔ほど“やわ”ではありません。子供の頃に大きく感じたお寺の鐘や校庭の銀杏の樹も今見ると小さく感じます。しかし雨粒は大人になった今では倍位の大きさです。「春雨じゃ濡れて行こう」どころの雨ではなく、道を渡るだけでビショ濡れです。
この雨が谷に流れ、貯木場のように山積みになっている倒木を流し、橋を流し、堤を壊し、引っ掛かればダムになり氾濫します。この犠牲になるのは災害弱者の老人か障害者、2階へ上がれず1階に住んでいる方が多くなります。谷にある持主不明の木は空き家と同様に勝手に処理はできないのでしょうか?だとしたらこれは人災?
空木(造語。持主不明の木)対策は防災、減災になるのでは?と高速道路から山や谷を見るたびに思っています。ハザードマップを見てもまだまだ危ない所に住んでいる方は多いようです。都会に住んでいる子や孫が家族を安全な所へ呼ぶ方向に進めばよいのですが、老人は住み慣れた土地やコミュニティを離れたがりません。
新しい専門医の志望地は都会志向です。医療のない所に人は住めず、益々、東京一極集中が進みます。被災地にこそ医療や介護が必要なのですが、そういう機動的システムはありません。地元医師会や関係者が望んでも法的な縛りもあります。災害時と東京オリンピックの選手村は医療特区とし、何でも希望に応じるオプションが必要と痛切に感じています。
この会の発足記念式典も7月7日の豪雨で9月に延びました。雨降って地固まりますか?!

 

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